こんにちは!ステップウィルの清藤です。
みなさんは、今まで残してきたメモや記録、個人的なもので言えば日記や読書感想文など、色々とノートにまとめてきたものがあると思いますが、それを見返して次の行動に役立てことはありますか?
私の場合は月間・週間目標、日報などを記録しているので、一週間単位で振り返るのですが、数ヶ月前の事を振り返ったり、ある業務のときに出てきたツールについて思い出したいとなったときに、記録を探すのに時間が掛かってしまったり、去年セミナーを何回やったかなどを直ぐに知りたいときに、わざわざ数えなければいけないとか、そういうことが発生します。
今回のCursorというAIが備わったエディタとObsidianというノート管理ツールを使うと、これらの記録(データ)をローカル(PC上)で読み込むことで、ブラウザにいちいちファイルをアップロードすることなく、Obsidianで作成したデータを元に、自然言語で知りたい事を教えてくれるようになります。
また、クラウドストレージを使うことで、1つのPCだけでなく他のPCやスマートフォンからでもデータを同期することでどこからでもアクセス出来るようになるので、クラウドストレージがあるとより便利に使えます。今回はDropBoxを利用します。
言葉で説明するよりも、実際にやってみるとなるほどとなると思うので、記事をざっと読んでみてトライして貰えればと思います。
CursorとObsidianの組み合わせの理由について
冒頭で簡単にCursorとObsidianについて説明しましたが、改めてもう少し詳しく他のツールとの違いも含めて、何故CursorとObsidianの組み合わせが必要なのかを理解します。
Cursorはプログラムコードを書くためのAIエディタツール
まず、Cursorは本来はプログラマーがプログラムを書くために使うコードエディタです。コードエディタで有名なエディタは他にも色々ありますが、MicrosoftのVS CODEが有名です。
では何故Cursorを使う必要があるかといと、このCursorには標準でAIチャット機能があります。
例えばプログラムを作る場合、「~が出来るプログラムを作りたい」と指示をすると、自動で必要なプログラムを書き始めます。
ChatGPTに同じ事を聴いた場合、コードは作ってくれますが、ファイルの生成まではしてくれませんね。このCursorはエディタ自身にAIツールが入っているので、エディタ上で必要なファイルを生成してプログラムをあっという間に作成してしまいます。
また、既に作られたプログラムファイルを読み込ませた上で、さらにAIに指示をして新しい機能を作ってもらうこともできます。
今回は、Obsidianとの連携ということになりますが、Obsidianの説明の時に改めて書きますが、Obsidianで作成したメモはすべて一つのファイルとして保存されます。
なので、Obsidianで作成したファイルをすべて読み込ませることで、その情報の中からAIを使って知りたい事を効率良く取り出す事が出来るようになるわけです。
ではまたここで新たな疑問が出てくるのですが、同じ事をやるのにnotebookLMでも良いのではないか?という話しです。
確かにnotebookLMでも同じ事はできますが、notebookLMの場合は入れられるソース(ファイル)の数に制限があります。更に、そのファイル自体も一つずつブラウザからアップロードする必要があります。
その点、Obsidianは今まで作ったノートが既にPCやクラウドストレージに保存されているため、そのすべてのファイルを参照することが出来ます。
また、プロンプトの際も、タグを指定したり読み込むファイルも限定することもできるので、つまりPCのファイルすべてを使ってnotebookLMを使うようなイメージと思って貰えると分かり易いかもしれません。
ObsidianはEvernoteやNotionのようなノートアプリ
次にObsidianについて説明します。Obsidianはコンセプトは異なりますが、EvernoteやNotionといったノートアプリのようなものと思ってください。
私もNotionを仕事用でもプライベートでもメモやウェブサイトのブックマーク代わりに利用しています。では何故Cursorを使うにあたってObsidianを使う必要があるのでしょうか?
EvernoteやNotionとObsidianではファイルの構成で大きな違いがあります。
EvernoteやNotionにメモを保存する場合、その保存されたデータというのはEvernote、Notionの専用ファイルとして保存されます。極端なことを言うと沢山Notionにメモを保存したとしても、データファイルは一つの大きなファイルとし保存され、Notionのアプリ上でしかデータの中身が観れないようになっています。これはアプリ上でファイルを効率良く運用するための一般的なアプリの構成です。
ではObsidianはどうかというと、メモ(ノート)作成したらそれ自体がファイルとして生成されます。

左側が、Obsidian上の画面で、右側がWindowsのフォルダ画面です。
構成がまったく同じですよね。Obsidianはアプリ専用ファイルではなく実際のファイルとして保存するため、この作業フォルダ全体をCursorで読み込ませることで、このファイルの中身を使ってAIにコマンドを投げることが出来るようになるわけです。
また、ObsidianはMarkdownという方式で自動で保存されるため、読み込み速度の面で効率良くAIからのレスポンスをもらう事が出来ます。
こういった理由から、CursorとObsidianという組み合わせが今現在では使い勝手が良いとされています。
各ツールのインストール
さて、CursorとObsidianの組み合わせの理由が分かったところで、早速CursorとObsidianのインストールを進めていきましょう。まずは、Obsidianを先にインストールしてみましょう。
Obsidianのインストールと初期設定

Google検索で『Obsidian』と検索するとこのようなサイトが出てくればObsidianの公式サイトですので、クリックしてサイトに入ります。直接下記のリンクからとんでも大丈夫です。

『Get Obsidian for Windows』をクリックします。もし他のOSの場合は自動でOSに合ったインストーラーが表示されるはずです。

『Download for Windows』をクリックします。

インストーラーを実行してインストールを始めます。
状況に応じて選択して、『次へ』をクリックします。

変更せず『インストール』をクリックします。

『完了』をクリックしてインストールを完了します。

設定画面が表示されるので、まず言語をEnglishから、日本語に変更します。
次に、『保管庫を新規作成する』の『作成』をクリックします。これは今後Obsidianで作成するファイルを保存していくフォルダのことです。

保管庫の名称は『Obsidian Vault』と入力します。この名称はクイックスタートをすると作成されるデフォルトの名称なので、まずはシステムの標準の名前を付けておきましょう。
次にロケーションの『閲覧』をクリックします。

今回はDropboxで他のデバイスとの共有を想定しているので、Dropbox内の好きな場所に配置します。今回は、例としてDropbox直下のディレクトリに配置します。

最終的にこのようになります。問題なければ、『作成』をクリックします。

するとObsidianの画面が立ち上がります。Obsidianのインストールについては完了です。
Cursorのインストールと初期設定
次にCursorのインストールを進めます。以下の公式サイトにアクセスします。

Obsidian同様に、OSに合わせたダウンロードボタンが表示されるので、クリックしてダウンロードします。

『同意する』をチェックして、『次へ』をクリックします。

『次へ』をクリックします。

『次へ』をクリックします。

必要に応じて『デスクトップ上にアイコンを作成する』にチェックを入れて、『次へ』をクリックします。

『インストール』をクリックします。

インストールが完了したら、『完了』をクリックします。

Cursorが立ち上がると、Sign UpかLog Inが促されるので、AI機能を使うためにはSign Upは必須のため登録をします。

名前と、メールアドレスを入力して『Continue』をクリックします。

パスワードを設定して『Continue』をクリックします。

認証コードがメールで届くので、貼り付けます。

認証が完了すると、この画面になるので登録が完了になります。

エディタを開いて、もしこの画面になる場合はVS Codeを使っている場合は『Import from VS Code』をクリックして設定を引き継ぐと便利ですが、もしVS Codeを使っていない場合は『Skip and continue』で大丈夫です。

特にこだわりがなければ、『Continue』をクリックします。

こちらも分からなければ『Continue』で次に進みます。

データ共有について同意が求められますので、チェックを入れて『Continue』をクリックします。このデータの共有については、後ほどプライバシー設定で学習をしない設定にできますので、ご安心ください。

『Continue』をクリックします。

無事インストールが完了しました。
CursorのAI学習機能のオフ設定
次に、AI学習機能のオフの設定をします。

エディタの右上の歯車アイコンをクリックします。

Generalの画面の一番下のPrivacyの項目にPrivacy Modeがあり、初期設定では
Disabled(Data Shared with Cursor)が選択されていますが、これをEnabled(Code Remains Private)に変更します。保存ボタンはないので、切り換えたらそれで設定完了です。
一瞬Enabledが学習されるように見えますが、プライバシー設定を有効にするという意味でEnabledなので、間違えないように設定しましょう。
これで、今後ファイルを読み込ませた上でAIを利用しても、学習されないので安心して個人データを使うことができます。
もしデータの取り扱いが心配なかたは、以下の記事でCursorの学習機能のオフについて、最新の情報を記事にまとめてくれているので、こちらの記事をご参照ください。
AIコードエディタCursorのプライバシーモードとセキュリティ:運営からの直接回答あり
Obsidianでデータを作成してCursorデータを読み込ませる設定
ObsidianとCursorのインストール、初期設定が完了したところで早速ObsidianとCursorを連携する方法をやっていきます。
まずは、Obsidianにデータを入れる方法を簡単に説明していきます。
ObsidianはWebクリッパーかメモ帳代わりにデータを入力するのが基本
Obsidianにどんなデータを入れるかは利用者次第ではありますが、基本的にはAIを利用するので、テキストベースで、メモ帳として使うことになります。
Obsidianの詳しい説明はこの記事では省きますが、簡単にファイルの作成について説明します。

ファイルの新規作成は、左上のペンアイコンか、新規タブから『新規ファイルを作成』またはショートカットキーで『Ctrl+N』で作成できます。

ファイルを作成した時点で、ファイルが作成されるので、ファイル名を入力します。
あとは、ファイルの中身を入力しますが、自動で保存されるので、特に保存作業は必要ありません。

ちなみに、左メニューにカレンダーアイコンがありますが、これはデイリーノートという機能で、日付ファイルが作成されます。私はこのファイルに日報を書いて振り返られるようにしています。
この他に、ネットで調べた情報をメモとして残す方法として、Webクリッパーというツールを使う方法もあります。Webクリッパーはブラウザの拡張機能を有効にすることで使えるようになります。Chromeでやってみたいと思います。

『obsidian chrome』で検索すると、画面のような検索結果が出てくるので、クリックします。

Chromeに追加をクリックして、インストールします。

インストールが完了したら、Webクリッパーを直ぐ使えるようにツールバーにピン留めします。

ブックマークしたいWebの記事を開いたら、Obsidianアイコンをクリックすると、Obsidianに追加というボタンが出てくるので、クリックします。

すると、Obsidian上のClippingsというフォルダに保存されました。
Webクリップした情報を元にCursorでAIに質問して情報をまとめたりするのもよくやる方法なので、今回はこのWebクリップについてもご紹介してみました。
CursorでObsidianのデータを読み込む設定
さて、Obsidianにデータを作成したら、次はCursorでそのデータを読み込ませる設定を行います。

Cursorを起動して、メニューのFileをクリックして『Open Folder』をクリックします。

エクスプローラーが開いたら、Obsidianで始めに作成した『Obsidian Vault』フォルダを選択します。

すると、Cursorの左側のウインドウにObsidian Vaultのフォルダの中身が表示されます。画像は私が実際に作成したフォルダの中身なので、モザイクだらけになっいますが、ここにObsidianで作成したファイルが表示されるはずです。
これで、CursorでObsidianのデータを読み込む準備が整ったので、次はCursorでAIを使う方法を説明していきます。
Obsidianのデータを使ってCursorでAIを使う方法
ではいよいよCursorでAIを使う方法を説明していきます。

Cursorの左側のウインドウにObsidian Vaultのフォルダが表示されている状態で、右側のエディタ部分にカーソルを合わせて、AIに質問を投げてみます。
2025-06-02から2025-06-08までの日付ファイルを読み込んで、その週に読んだ本をリストアップしてください。

そうすると、このように2冊の本がリストアップされました。
このように、CursorはObsidian Vaultの中のファイルを参照して、AIが自然言語で質問に答えてくれるようになります。
今回は直近の一週間のデータを読み込んでいますが、1年間のデータを読み込ませることもできますし、特定のタグを指定してそのタグが付いたファイルだけを読み込ませることもできます。
このように、CursorとObsidianを組み合わせることで、過去のデータを効率良く参照しながらAIを活用することが可能になります。
DropBoxとの連携について
ObsidianのデータをDropBox上にすでに設定していますが、もし他のPCでも同じデータを使いたい場合は、Obsidianをインストールした後に、保存フォルダを同じようにDropBox上のObsidian Vaultを指定してCursorで読み込ませることで、どのPCからでも同じデータを参照することができます。
冒頭で説明したとおり、Obsidianはデータを一つ一つ保存しているためDropBox上にファイルとしてデータが保存され直ぐに同期することができます。
ただし、スマートフォンでObsidianを同期して使いたい場合はプラグインが必要になります。

Obsidianの設定から、コミュニティプラグインを選択して、『閲覧』をクリックします。

『remotely save』と検索すると表示されるので、それをインストールします。

インストールが完了したら、歯車アイコンをクリックします。

今回はRemote serviceはDropboxですが、ご利用のクラウドストレージを選択してください。また、DropboxとObsidianを連携するためにDropboxの承認が必要なので、Dropboxの連携処理をします。

Basic settingでは同期のタイミングや時間などを設定できるので、適宜設定してください。
この設定はスマホでObsidianをインストールするときも同じ様な設定をすればスマホでも同じデータを扱うことが出来るようになります。
ただ、Cursorは現時点ではスマートフォン版がないため、スマートフォンでObsidianを使う場合は基本的にデータ入力や参照のみとなります。
まとめ
このCursorでObsidianとの使い方は今も色々な使い方が模索されている段階です。先ずは触ってみて、色々な使い方を試してみるのが良いと思います。
そのあとで、調べてみるともっと便利な使い方が見つかるかもしれません。
今回のCursor+Obsidianの使い方や導入について支援もしていますので、お気軽にお問い合わせください。
以上、「CursorとObsidian、DropBox(クラウドストレージ)を使ってメモや日報、テキストデータをAIで再利用する方法」でした。