ビジネスを始めるとき、または本格化させるとき、[email protected]
のような会社独自のドメインを使ったメールアドレスは、顧客や取引先からの信頼を得るために不可欠な要素です。
Google Workspaceを契約すれば、独自ドメインのGmailはもちろん、共有カレンダー、ビデオ会議(Google Meet)、大容量のクラウドストレージ(Google Drive)など、ビジネスを効率化する強力なツール一式をまとめて導入できます。
この記事では、数あるプランの中でも特に人気の「Business Standard」プランを例に、Google Workspaceの申し込みから、すでにお持ちの独自ドメインでメールを送受信できるようになるまでの全手順を、実際のスクリーンショットを豊富に使って、分かりやすく解説します。
STEP 1: Google Workspaceへの申し込みと初期設定
まずはアカウントを作成し、無料試用を開始するまでの手順です。プラン選択から支払い情報の入力までをここで行います。
1-1. 公式サイトから無料試用を開始
まずはGoogle Workspaceの公式サイトにアクセスします。

はじめに、Google Workspaceの公式サイトへアクセスし、画面中央の「無料試用を開始」ボタンをクリックします。
1-2. プランを選択する

次にプランを選択します。
今回は、「Standard」プランを選び、「無料試用を開始」をクリックして進めます。
1-3. 会社と管理者の情報を入力する

会社の基本情報を入力します。
- 会社名: あなたの会社名または組織名
- 自分を含む従業員の数: 利用する人数
- 地域: 日本

続いて、管理者となるあなたの情報を入力します。
- 姓・名: あなたの氏名
- 現在のメールアドレス: 確認コードなどを受け取るための、既存のメールアドレス(個人のGmailなどでOK)
1-4.ドメインの設定方法を選択する
Google Workspaceで利用するドメイン(メールアドレスの@
以降の部分)を設定します。

- アカウントの設定方法を選択する画面が表示されます。
- 今回はすでにお持ちのドメインを設定するため、「既存のドメインを使用して設定する」を選択し、「この方法で続行する」をクリックします。
1-5. 独自ドメイン名を入力する
設定したい独自ドメイン名を入力します。

- 「ご利用のドメイン名」の欄に、あなたの会社が所有するドメイン名(例:
stepwill.co.jp
)を入力します。 - 入力後、「次へ」をクリックします。
1-6. ドメインの利用を確認する
入力したドメインでアカウントを設定するかどうかの最終確認です。

- 表示されているドメイン名に間違いがないか確認します。
- 問題がなければ「次へ」をクリックします。
1-7. 管理者アカウントとパスワードを設定する
Google Workspaceにログインするための最初のユーザー(管理者)を作成します。

- ユーザー名: メールアドレスの
@
より前の部分を入力します。一般的にはinfo
やご自身の名前(例:taro.yamada
)などを設定します。 - パスワード: ログイン時に使用するパスワードを設定します。8文字以上で、推測されにくいものを設定しましょう。
- Google Workspaceからの最新情報などを受け取るか選択します。
- 利用規約を確認し、「同意して続行」をクリックします。
1-8. プラン内容を確認する
選択したプランの料金が表示されます。

- 「Business Standard」プランの年額料金が表示されます。
- 内容を確認し、「14日間無料で試す」をクリックして支払いプランの選択に進みます。
14日間の無料試用を開始するために、お支払い情報を設定します。期間内に解約すれば料金はかかりません。
1-10. お支払いプランを選択する
最後に、支払いプランを「フレキシブルプラン」か「年間プラン」から選択します。

- フレキシブルプラン(月払い):
- 月単位の契約で、いつでも解約できます。
- ユーザーの追加・削除が柔軟に行えます。
- 料金は月額 ¥1,900(Standardプランの場合)です。
- 年間プラン(年単位のお支払い):
- 1年間の契約で、月額換算で料金が割安になります。
- 年額 ¥19,200(月あたり¥1,600)となり、フレキシブルプランよりお得です。
- ユーザーの削除は契約更新時のみ可能です。
長期的に利用することが決まっている場合は、年間プランがおすすめです。どちらかを選択し、次に進みます。
1-11. お支払いプロファイルを作成する
まずは、お支払いに関する情報を入力します。前編の手順10で支払いプランを選択した後、以下の画面が表示されます。

- お支払いプロファイルの作成画面が表示されたら、アカウントの種類(通常は「個人」または「ビジネス」)を選択し、郵便番号、都道府県、市区郡、住所などを正確に入力します。
- 入力が完了したら「作成」をクリックします。
1-12. お支払い情報を入力し、試用を開始する
次に、クレジットカードなどの支払い方法を追加し、申し込み内容を最終確認します。

- お支払いプロファイル: 先ほど入力した住所などが表示されます。
- お支払い方法: クレジットカードまたはデビットカードの情報を入力します。(「変更」から他の方法を選べる場合もあります)
- カート: プラン内容と料金が表示されます。「最初の14日間は料金がかかりません」という記載を確認しましょう。
- 利用規約を確認し、問題がなければ「同意して続行」をクリックします。
これで無料試用期間がスタートします!
STEP 2: ドメインの所有権を証明する(TXTレコード設定)
次に、あなたがそのドメインの本当の持ち主であることをGoogleに証明します。これは、他人があなたのドメインを不正に利用するのを防ぐための重要なステップです。
2-1. ドメイン設定を開始する
お支払いの設定が完了すると、いよいよドメインの設定に進みます。

- 「ドメインを設定しましょう」という画面が表示されます。
- まずは、あなたがそのドメインの所有者であることをGoogleに証明する必要があります。一番上の「stepwill.co.jp の所有権を証明する」が選択されていることを確認し、「始める」をクリックします。
2-2. ドメインホストの確認
ドメインの所有権を証明するための方法を選択します。

よくわからない、または一覧にない場合は、「ドメインで別のホストを使用している」にチェックが入っていることを確認し、「続行」をクリックします。
2-2. 確認用のTXTレコードをコピーする
Googleが指定する確認用のコード(文字列)が表示されます。これを、あなたのドメインを管理しているサービスの管理画面に設定します。

- 「確認コードの追加」画面で、「TXT レコード」が選択されていることを確認します。
- 「値」の欄に表示されている文字列(黒塗りの部分)の右側にあるコピーアイコンをクリックして、確認コードをコピーします。
ここから先は、あなたのドメインを管理しているサービス(ドメインホスト)の管理画面での作業に移ります。今回は例としてエックスサーバーでの手順を解説します。
【補足】エックスサーバーでのDNS設定手順
Google Workspaceの画面は一旦そのままにして、新しいタブでエックスサーバーの管理画面を開いてください。
1. サーバー管理画面へログイン

- エックスサーバーの管理パネルにログインします。
- 契約しているサーバーの「サーバー管理」ボタンをクリックします。
2. DNSレコード設定を開く

- サーバーパネルが開きます。
- 「ドメイン」のカテゴリにある「DNSレコード設定」をクリックします。
3. 設定するドメインを選択する

- DNSレコードを設定するドメインの一覧が表示されます。
- 今回Google Workspaceで設定するドメイン(例:
stepwill.co.jp
)の「選択する」をクリックします。
4. TXTレコードを追加する
いよいよ、先ほどGoogleの画面でコピーしたコードを貼り付けます。

- 「DNSレコード追加」タブをクリックします。
- 以下の通りに入力・選択します。
- ホスト名: 空欄のままでOKです。(ドメイン名自体を設定する場合)
- 種別: プルダウンから「TXT」を選択します。
- 内容: ここに、2-2.でGoogleからコピーした確認コードを貼り付けます。
- TTL: 空欄のままでも構いませんが、
3600
などの推奨値があれば入力します。
- 入力内容を確認し、「確認画面へ進む」をクリックし、次の画面で「追加する」ボタンを押して設定を完了します。
2-3. ドメインの所有権を証明する
エックスサーバーでの設定が完了したら、Google Workspaceの画面に戻ります。

- 画面下部にある「確認」ボタンをクリックします。
GoogleがあなたのドメインのDNS設定を確認し、先ほど設定したTXTレコードが見つかれば、所有権の証明は完了です! (DNS設定がインターネット全体に反映されるまでには、数分〜数時間かかる場合があります。すぐに認証されない場合は、少し時間をおいてから再度「確認」をクリックしてみてください。)
STEP 3: Gmailを有効にする(MXレコード設定)
所有権の証明が完了したら、いよいよ最終ステップです。あなたのドメイン宛のメールがGoogleのサーバーに届くように、「MXレコード」という設定を変更します。
3-1. Gmailの使用を開始する
ポップアップが表示され、Gmailの設定に進むことを確認されます。

- 内容を確認し、「続行」をクリックします。
3-2.Gmailを有効にするユーザーを確認する
どのユーザーでGmailを有効にするかを確認します。

- 最初に作成した管理者アカウント(あなた)が表示されています。このまま「有効化を進める」をクリックします。
- 補足: 他のメンバーのユーザーアカウントを追加したい場合は、後ほど管理画面から簡単に追加できます。
3-3.メールサーバー(MXレコード)の設定に進む
いよいよ、メールの送受信設定(MXレコードの設定)です。これは「あなたのドメイン宛てに届いたメールを、Googleのメールサーバーに送ってください」と指定するための重要な設定です。

- 所有権の証明の時と同じように、ドメインホストを選択する画面が表示されます。
- 「ドメインで別のホストを使用している」にチェックが入っていることを確認し、「続行」をクリックします。
3-4. Gmail用のMXレコードをコピーする。
Googleのメールサーバーを指定するための情報(MXレコード)が表示されます。

- 「Gmail アクティベーション コードを追加」という画面で、「MX レコード」の情報が表示されていることを確認します。
- 今回は「優先度(
1
)」と「参照先(SMTP.GOOGLE.COM
)」の2つの情報を、ドメインを管理しているサービス(エックスサーバーなど)に設定します。それぞれのコピーアイコンをクリックして、値を控えておきましょう。
ここから再び、ドメインホスト(エックスサーバー)の管理画面での作業に移ります。
【補足】エックスサーバーでのMXレコード設定手順
Google Workspaceの画面はそのままで、エックスサーバーの管理画面を開きます。DNSレコード設定画面までは、前回のTXTレコード設定時と同じ手順です。
1. (重要)既存のMXレコードを削除する
メールが正しくGoogleのサーバーに届くようにするため、既存のメール設定(MXレコード)を先に削除する必要があります。

- エックスサーバーの「DNSレコード設定」画面で、設定済みレコードの一覧を確認します。
- 種別が「MX」となっているレコードを探し、右端にある「削除」ボタンをクリックします。
- 注意: この作業を忘れると、メールがGoogleに届かず、正しく受信できなくなる可能性があります。必ず行ってください。
2. 新しいMXレコードを追加する
既存のレコードを削除したら、Googleから指定された新しいMXレコードを追加します。

- 「DNSレコード追加」タブをクリックします。
- 以下の通りに入力・選択します。
- ホスト名: 空欄のままにします。
- 種別: 「MX」を選択します。
- 内容:
SMTP.GOOGLE.COM
と入力します。 - TTL: 空欄または
3600
のままで構いません。 - 優先度:
1
と入力します。
- 内容を確認して「確認画面へ進む」をクリックし、設定を完了させます。
3-5. Googleの画面に戻り設定を完了する
ドメイン管理画面での作業が終わったら、Google Workspaceの画面に戻ります。

画面下部の「確認」ボタンをクリックします。

「Gmail を利用できるようになりました」と表示されれば、すべての設定は完了です!
まとめ
お疲れ様でした!
本記事では、3つの大きなステップに沿ってGoogle Workspaceの設定方法を解説しました。
- 申し込みと初期設定
- ドメインの所有権証明(TXTレコード)
- Gmailの有効化(MXレコード)
いくつかの専門的なステップがありましたが、一つ一つ着実に進めることで、専門知識がなくても確実な設定が可能です。
もし、設定の途中で躓いたり設定自体が難しく感じる場合は、弊社が設定代行も行っていますので、Workspaceの設定でお困りの際はお気軽にお問い合わせください。
またタイムチケットでも設定代行についてご案内していますので、こちらもご参照ください。

以上、「【画像で解説】Google Workspace Standard契約と独自ドメイン設定完全ガイド」でした!